iPhoneやAndroidはいろいろと便利ですが、電子マネーが搭載されていない。ガラケー並にとは言わないまでも、ちょっとした買い物や電車、地下鉄でスマートフォンをかざして「ピッ」と済ませたい。そんなことを願っている人は多いと思います。ちょっとトライしたのですが残念ながら失敗しました。再チャレンジするときの備忘録として残しておきます。
実は、既にiPhone4では成功事例があります。Twitter仲間の @ThugStyle4ever さんのつぶやきを中心にまとめた “カード型電子マネー分解とiPhoneおサイフ化” で確認してみてください。
わたしの場合は、手元にあるAndroid端末のHTC Desire、Nexus One、XPERIA X10 miniで試してみましたがうまくいきませんでした。国内メーカーの本格参入によりFelica搭載機種も発売されますし、これ以上チャレンジしてもしょうがないと諦めました。
Android端末はiPhoneと違ってバックパネルが簡単に外せますので、iPhoneより簡単かと思ったのですが、思わぬ落とし穴がありました。
- iPhoneのようにバックパネルがバスタブ型ではないため、分解して取り出したトークンをそのまま収納するための十分なスペースが確保できない。
- 分解した回路のコイル部分が断線してしまうと修復できない。どうしても接触不良が起きてしまう。
- Desireのバックパネルはそれ自体が読み取り機の電磁波を遮断してしまうようで、Desireの内側に干渉防止シールを施しても意味がない。
- バックパネルは簡単に取り外せるが、バッテリーの反磁界ノイズをモロに受けるようで、DesireとNexus Oneは干渉防止シールを施しても効果がなかった。
結論
- 電子マネーのトークンのコイル断線すると修復するのは困難。
- 設置はバッテリーから離れた液晶のフロントパネル側。
まず、分解する電子マネーSuicaを用意します。関東ではJR、私鉄、地下鉄、バスにも利用可能で、買い物もできます。さすがにクレジット付で実験するのはチャレンジングですから、チャージは特定のコンビニ等に限定されてしまいますが無記名式で十分です。
分解の際には読み取り機のPaSoRiがあったので便利でした。切り刻みながら、「まだ反応するか」どうかを確認して作業を進めます。分解にはモデラーズナイフを使用しました。
一皮剥けると、コイルが透けて見えるようになります。最初から上下左右の余白部分をカットしてからだと楽になると思いますが、購入した状態では目印はないので難しいかもしれません。
サイコロの5の目の部分を開口し、マイナスドライバーを突っ込んでペリペリと剥がしていきます。このとき、SONYも文字が読める方が表ですので、こちらから作業したほうが良いと思います。そのままのサイズでは大きいので半分に切断します。ちょうどSunhayatoのエクステンション基板があったので使いました。
PaSoRiで認識はするのですが、接触不良のためか認識したりしなかったり。導電テープでもダメですし、ハンダものらず、2000番のサンドペーパーで皮膜を削ってみても結果は変わりませんでした。こうなった時点でAndroidに内蔵するのは非常に微妙だったわけですが…
DesireとNexus Oneは”フラックス・ピット・モバイル for iPhone 3G & 4″を使用し、干渉エラーを抑え込もうとしましたがダメでした。バッテリーがむき出しの状態だとトークンとの間に入れても効果は出ないようです。XPERIA X10 miniはバッテリーがむき出しの状態ではないためこのシートを貼り、トークンをバックパネルの裏に絶縁テープで固定し、バックパネルを閉じてPaSoRiで試したところ認識に成功しました。ただし、接触不良が解消できないため、認識したり、しなかったりととても実用的ではありません。残念ながらここで計画は断念しました。
「電子マネーSuicaをスマートフォンに…失敗の巻」への2件のフィードバック
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始めまして。
認識があまりよくないのはコイルの長さが足りないのではないでしょうか。
http://butsusokuzeku.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/suica-d06b.html
リンク先の方は、ICを「アンテナパターンと同じ長さの導線」に繋いでます。
暇ができたらXperia X8用にやってみようと思います。
Jimさん、コメントありがとうございます。
切断部分を押しつければ認識自体はするので、わたしの場合は長さの問題はあまり影響なかったように思っています。むしろ小型化するのに単純に切断してしまったわけですが、アルミ素材のため一度切断するとリカバリが難しくなるようです。半田付けも考えましたがグーグルで検索してみたところ手に負える範囲を超えていましたのでこれ以上の作業は断念しました。