忘れた頃にやってきたBoxcarは、Boxcar2としてiOS7対応版がリリースされています。Boxcarは、Twitterのメンション等やRSS、メール等の新着をプッシュ通知してくれる統合アプリとして人気を博していましたが、最近は話題になっておらず、ちょうどどうしたのだろうかと思っていたところでした。
Boxcar凋落の原因は
正確なことはわかりませんが推測でダメになってしまった原因を考えてみます。
他に類を見ないアプリでしたが、次第に、通知が届かなかったり、遅延したりと利用者の増加やサポート対象の拡大とともに非常に不安定なサービスになってしまいました。
自分の場合は早々に愛想を尽かしてTwitterの通知にはAgharta(Prowlから乗り換え)やEgoProwlを使い始め、ここ数年問題なくほぼリアルタイムに届いているので、実のところBoxcarは全く使わなくなっています。
また、その当時はほとんどプッシュ通知に対応したアプリがなかった状況から、今ではTwitter公式アプリやTweetbot等のクライアントアプリ自体がプッシュ通知を実装したり、その他のアプリもプッシュ通知機能が一般化しているので、敢えてこのアプリを必要としなくなった、というのもBoxcar凋落の一因かと思われます。
開発チームの意気込み
そのためか開発チームは公式ブログにて次のように述べています。
まだまだ目指すビジョンから程遠く完全ではないが、日々、コミットメントを示して信頼を取り戻していきたい。以前のように対象サービスを一覧化するだけではない。どうか信頼して欲しい。
我々は Boxcar2 のリリースを通じてユーザーがとても大事であることを学んだ。今後、これまで以上にユーザーの声に耳を傾けたいので、欲しいサービスや良い点、悪い点などアプリに対するフィードバックをお願いしたい。
(Boxcar公式 開発者ブログから抜粋して抄訳)
開発チームは専用サイト(http://boxcar.uservoice.com/)を開設し、ユーザーはここから追加機能の要望やその進捗状況を確認したり、フィードバックを送ることができます(多分、英語のみ?)。
新しいBoxcarの機能
プッシュ通知をInboxに統合して表示することを目指しているので、初期画面はInbox画面、ソースのみのシンプルな構成です。
TwitterとRSSを追加してみます。Twitterは Social から追加します。
iOS設定画面に登録済みのTwitterアカウントが表示されるので選択して追加します。
RSSはFeedからURLを入力して登録します。
SourcesにTwitterアカウントとReutersビジネスのFeedを登録した後の初期画面です。
Inboxにあるプッシュ通知を自分の好きなように抽出するのがFilterです。定義名を付けて保存することで簡単に呼びたせます。
プッシュ通知のサンプルを幾つか。これはFeedの更新情報が通知されたところです。
記事を選択するとBoxcar2が起動し内容が表示されます。PushやIFTTTを使った方法も知られていますが同様のことが可能です。いち早く更新情報を知りたいサイトのみ登録すると良いかもしれません。
Twitterのメンション通知です。自サーバーで運用しているAghartaより約1分ほど遅れて通知が届く感じでした。
この他、Boxcar2専用の転送メールアドレスが割り当てららるので、Gmailなどのメールサービスに転送登録しておくと、新着を知らせるプッシュ通知が届くようになります。フェッチ方式なメールには使えると思います。ただ、メール全文が転送されますので漏洩等がないわけではないこともリスクとして認識しておく必要があると思います。
今後の信頼性とサービス拡充に期待
開発チームが最も重視しているのが信頼回復です。ユーザーとしても安定したサービス提供を望むものの、プッシュ通知自体が目新しさはないことから、敢えてBoxcar2へ乗り換えるだけの負荷を許容するかというと疑問です。
一方でユーザー獲得のためにはサービスの拡充が必要ですし、安定運用には相応の設備投資が求められ、人的リソースも不可欠ですが、Boxcar2は今のところ広告なしの無料で提供されています。余計な心配ですが、運転資金を考えると先行きが不安になってしまいます。
ある時期にはプッシュ通知を支えてくれていたアプリだけに完全復活とさらなる進化を期待したいところです。
Boxcar 2