日本経済新聞社のiPhoneアプリ『日経電子版』を2ヶ月ほど利用してみて

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日本経済新聞社が3月29日(木)~3月31日(土)の3日間、電子版のすべてのアプリ(Web版は対象外)を無料で利用可能になっています。興味がある方はこの機会にお試しいただくと良いと思います。

日経電子版 広報部|iPad向け・スマホ向けアプリ 無料開放

日本経済新聞社の日経電子版アプリを使い始めて丸2ヶ月が経過しました。このアプリを使うためには日経電子版の有料会員になることが必要です。朝夕刊の宅配(月額4,383円[2015/5/2修正]4,509円)があればプラス1,000円、電子版のみだと月額4,000円[2015/5/2修正]4,200円が課金されます。宅配契約の有無にかかわらずその価値があるのか迷っている方の参考になれば幸いです。

当初、使用してから1週間程度でレビュー記事を書こうと考えておりましたが、日本経済新聞社の電子版サービスは、大きく分けて「Web」「iPhone/Androidアプリ」「iPadアプリ」があって、かつそれぞれ異なるサービスを提供していることに気がつき、「これは1週間程度では有料会員の対価として妥当なのかどうかは評価が難しい」と思うに至りました。

と言いつつ、今回、レビューするのは「iPhoneアプリ(Androidもほとんど同じ)」です。一つのエントリでは書ききれないためWebやiPad版については別エントリとして準備しているところです。ご興味がある方はもう少しお待ちください。

インストール

iPhoneにはApp Storeから、またはAndroid端末にはPlayストアからインストールします。インストールは無料ですが、利用には有料会員登録が必要です。無料会員ではログインできません

日本経済新聞 電子版 1.5.1
ニュース, ビジネス
App Storeで詳細を見る

料金や操作方法等の詳細は公式ホームページをご参照ください。

日経電子版 広報部|購読料金表
日本経済新聞 ヘルプセンター

日経電子版アプリについて

起動するとログインIDとパスワードの入力が必要になります。アプリ内の設定メニューから起動時「自動ログイン」をオンにしていてもセッションタイムアウトすると起動時には必ずこの画面が表示されます。

なお、圏外で「ログイン」できない場合は「オフラインで表示」で利用すればダウンロード済みの記事を閲覧することができます。

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日本経済新聞社から告知等がある場合は起動時にお知らせ機能で表示されます。「既読にする」をオフの状態で閉じれば後からインフォメーション画面で確認することができますが、オンの状態だと読み返すことは出来なくなります。

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朝刊・夕刊のタブで朝夕刊各面の記事見出し一覧が表示されます。WIFI環境下であれば30秒程度でWeb刊、速報も含めて全文ダウンロードします。ほとんどがテキスト情報なので非常に高速ですし、圏外でも閲覧が可能なので地下鉄通勤の方には嬉しい機能です。起動時に自動的にダウンロードが開始されますが、手動でダウンロードしたい場合には右上の矢印のアイコンをタップします。

記事一覧は新聞の各面の見出しを右上から左へ、そして右へとジグザグと最終的に左下へ向かって行くイメージです。ちょうど斜め読みする感覚です。

最下部には1面のみ広告バナーがあり、その下にはナビゲーションバーが表示されており、紙面の前後移動および選択移動ができるようになっています。

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日経電子版アプリは2日分の朝夕刊の記事特集等を閲覧することが可能ですから、日付・面を選択するでは左側ペインで日付、右側で面を選択することが可能です。

記事を左右にフリックすると前後の記事に移ります。面を跨いで移動するときには「面を移動します」のポップが出ます(読み込みに若干時間がかかる)。

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記事中の図表・イラストには「虫眼鏡アイコン」が付いており、タップすると拡大して表示されます(ピンチ・イン、ピンチ・アウトで拡大縮小が可能)。記事中の単語の定義を知りたい場合は範囲選択すると内蔵辞書で意味を表示してくれます。

記事から一覧に戻るには左上の記事一覧をタップします。右上のA-A+は文字の大きさを調節します。iPhone4[S]であればRetina Displayなので最小サイズでも十分識別可能です。

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Web刊および速報タブではWeb版と連動したタイムリーな記事を読むことが出来ます。速報については記事が100まで全文キャッシュされるので、一覧は20づつ表示されますが「さらに記事を表示」で直近100記事まで閲覧可能です。

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一覧から記事画面を開くとタイトルの直下に保存アイコンがあります。これを使うと当該記事を保存しておくことが可能で、Web版(My日経)とも連動しているのでWebブラウザからの閲覧も可能です。この画面で保存記事の削除も可能です。

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ただし、iPhoneがアンテナ圏外だと「通信に失敗しました」となり保存できません。せっかく、全文ダウンロードできて地下鉄通勤時にも記事を読むことが可能なのですが、キャッシュしておいて電波復帰時に保存するなどの工夫が欲しいところです。

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記事一覧画面の右下”i“をタップすると設定メニューが出てきます。その左隣の下向き矢印をタップすると記事一覧の最下部へジャンプします。

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日経電子版アプリの特長

  • 広告やテレビ欄などの一部を除き朝夕刊とほぼ同じ記事を読める
  • 記事だけではなく「経済教室」や特集記事、「私の履歴書」等の連載モノを読むことが出来る
  • 紙面構成が新聞と同じように読めるように工夫されている
  • 朝夕刊の他、Web刊や速報も全文ダウンロードなので地下鉄通勤には最高
  • 全文ダウンロードですが必要最小限のテキストと画像だけなので、キャッシュ系RSSリーダーと比較して3G回線でもダウンロードはあっという間に終了
  • 広告がないので読みやすい
  • Webブラウザの保存記事と連動する
  • 最新の第14版を読むことが出来る

日経電子版アプリの改善して欲しいところ

  • 画像がRetina Display対応していない
  • 新聞は右から左に紙面が進んでいきますが、アプリは左から右への構成になっています。紙面構成が工夫されているだけに残念。
  • 記事の保存はオンライン状態でないとできない。せっかく全文ダウンロードしてオフラインでも閲覧可能なのでオンライン復帰した際に自動でサーバー接続するような仕様にして欲しい。
  • Web刊と保存記事タブで一覧や記事表示で上下スクロールする際に引っかかりスムーズにスクロールしない[2013年12月7日追記]既に改善されています。
  • Web刊と速報記事はWeb版と同じようにSNS連携ボタンを用意して欲しい。完全にクローズなので、メールやTwitter、Facebook、Evernoteのような外部アプリとの連携は全くありません。これについては別エントリにまとめる予定です。[2014年10月4日追記]既に改善されています。
  • Web刊の記事から一覧に戻る際に必ず一番上に戻ってしまうので、元の位置に戻るために自分でスクロールさせないければならない。[2013年12月7日追記]既に改善されています。
  • ページ移動のユーザインターフェースにムダな動きを求める。朝夕刊の紙面選択ボタンが一覧の最下部にしかないため、記事画面からだと一覧に戻って最下部に行く必要があったり、「記事一覧」ボタンが最上部にあるので記事を読み終わってそのままの流れで一覧に戻ることができないなど。[2013年12月7日追記]既に改善されています。
  • 未読・既読管理ができない。[2013年12月7日追記]既に改善されています。
  • Web版サービスとの連携を拡充して欲しい。リアルタイム株価や為替表示、キーワード検索など。[2013年12月7日追記]既に改善されています。

著作権の関係でSNS等との連携を嫌うのはなんとなく理解できますが、ユーザーインターフェースは既存のRSSリーダー等を参考にして欲しい。Retina Display対応画像が用意されていなかったり、ボタンの位置、未読管理、メモ機能等、見習うべき点は多くあるはずです。

FAQ

登録前に調べたことや使用してみて分かったことなどをFAQ形式でまとめてみました。

無料会員には登録しているけどインストールできないのか?
アプリはApp Storeから無料でインストールすることはできますが、有料会員にならないとログインして利用できません。

電子版の有料会員について無料お試し期間はあるのか?
お試し期間はありませんが、有料会員登録の申込み当月分は無料です。ただし、当該期間に解約した場合は1ヶ月分が課金されます。セコいことは考えないように。

お申し込み当月に関するご注意 | 日本経済新聞 ヘルプセンター

複数のデバイスから使用できるのか?
iOSデバイスからログインできるのは1台のみ。ただし、Android端末との組み合わせでそれぞれから同時ログインは出来るようです。

電子版月ぎめプラン(月額4000円[2015/5/2修正]4,200円)で定期購読の『日経Wプラン(宅配+電子版)』に切り替えることは可能か?
可能です。その場合、『日経Wプラン』と同じ料金(月額5,383円5,509円)で宅配と電子版が利用できます。

解約すると月額使用料は日割りで精算されるのか?違約金はあるのか?
日割り精算はされませんが、解約した月の月末までは使用できます。解約当月分までの請求以外に違約金のようなものは請求されません。

解約 | 日本経済新聞 ヘルプセンター

Web版やiPad版は別料金になるのか?
有料会員に登録するとすべて利用できます。追加料金は不要です。

追加料金が請求されることはあるのか?
iPhone/Android版アプリ、iPad版アプリを利用している分には追加料金は発生しません。
ただし、Webサービスの記事検索等で一定件数を超えた場合に追加される場合がありますので詳しくは公式ホームページで確認ください。月25件を超えた記事検索の有料サービスは2014年2月末で廃止になっています。

追加料金 | 日本経済新聞 ヘルプセンター

『日本経済新聞 for iPad』とは違うのか?
iPad版アプリは日本経済新聞の朝夕刊(1週間分)を紙面イメージで購読可能なアプリです。New iPadでは高精細なRetina Displayでより鮮明でクリアな状態で読むことができます。iPhone/Android版のようにWeb刊や速報記事の閲覧、保存記事のWeb版との連動はできません。

有料会員になる価値はあるのか?

2年ほど前まで約20年間継続していた定期購読を、iPhoneのリーダーアプリを利用するようになってから止めました。それから特に困ることはありませんでしたが、今年から地下鉄を利用する機会が増えたため、電波が届かないストレスに耐えかねて全文ダウンロードして電波圏外でも閲覧可能なこのサービスを利用することにしました。

宅配ないしで月額4000円支払う、または宅配に追加して月額1000円支払う、いずれも決して安い金額ではありません。iPhone/Androidアプリだけで月4,000円支払う『電子版月ぎめプラン』は、正直、高いと思います。なのでWeb版やiPad版の他のサービスもあわせて判断する必要がありますが、個人的には利用価値はあると思っていますのでもう少し続けようと思っています。

ちょっとご提案。申し込み初月は無料のため実質1ヶ月分の料金で2ヶ月間利用できますので、以前から気になっている方は思い切って申し込んでみることをお勧めします。利用しなかった、それほど役に立たない等の場合は2ヶ月目に解約してしまえばよいだけです。違約金もかかりません。

『日本経済新聞 for iPad』について

[2013年1月12日追記]速報ニュースがプッシュ通知に対応

[2013年10月20日追記]Android版が朝夕刊の自動配信を開始

[2014年3月8日追記]リニューアル

[2014年10月4日追記]記事シェア機能の追加等

[2015年4月11日追記]アプリの一部機能を無料会員にも開放