初めての食レポ。錦糸町にある天ぷら『はせ川』というお店。ミシュランの１つ星を獲得しているので「そりゃ旨いだろう」と言われそうですけど、あまりに美味かったので。
高級天ぷらというと銀座とかイメージしていたので、場所柄半信半疑でしたが、入店するとカウンター10席程度の落ち着いた雰囲気。周りのお客さんや主人と会話も楽しむことができます。
メニューは最後の食事とデザートの前に、追加で単品注文する以外はすべてお任せです。とは言っても最初に食材が入った箱に苦手なものがないか確認できます。
まず、独自にブレンドしたこだわりの塩とレモン汁が並びます。天つゆありませんが、一応、穴子の時に出してくれます。天つゆは素材の味を消してしまうので使わないので問題ないですが、やはり天つゆが好きなお客さんもいるそうで出しているとか。
先付の豆腐に天つゆ。細かく包丁を入れてあって素麺のようにほぐれます。遊び心があってこれから始まる料理に期待が膨らみます。
この店の名物。天ぷらやで？と思うかもしれませんが海老サンド。香ばしいえびせんみたいな感じ。
レモン汁を掛けた大根おろし。これだけでも旨くてお替わり自由。口の中がスッキリしてまさに口直しにピッタリ。
海老。このお店の面白いところ。海老が何度も出てきます。６〜７尾くらい出てきたような気がする。修行されていたお店でも同じような出し方だったらしい。塩でもレモン汁でも旨い。両方でも旨い。
これも名物のひとつ。半熟うずらのタマゴの天ぷら。うずらの卵を半熟にしてから殻をむいてから薄く皮をピンセットで1枚ずつ剥がすそうです。柔らかい白身の弾力の向こう側にとろ〜りとした半熟の濃厚な黄身が口の中に広がります。いや。ホントに美味でした。
小玉葱。衣はゆるめで食材にうっすらと付くぐらい。油もしつこくないのでカラッと揚がっていてサクサク、ホクホク。あまさが引き立つのに驚き。
この時期だけです。子持ちの稚鮎。いや、なんと珍しい。頭からパクリと。子どもの頃はこういうの食べられませんでしたが、ほろ苦さが絶品。
オーストラリア産のアスパラ。大きく太かった。量が少なくて築地では奪い合いだとか。ホントかどうか知りませんけど。。。
穴子。一応、天つゆが出てきます。でも、やっぱり塩ですね。
これ何でしょう？ゴボウです。これは本当に驚いた。芯をくりぬいたゴボウです。一度ゆでてから楊枝で少しずつくりぬくそうです。気の遠くなる作業・・・芯は苦みが強いのでそのようにするそうです。ゴボウの風味を損なわず、後味もさわやか。
これ写真じゃわからないけどトウモロコシ。実と実が離れない程度の加減で上側だけを残して切り取ってあります。そのため口に入れた時に程よい加減でホロホロと実がほぐれます。甘みがとても引き立つ。
おくら。天ぷらで初めて食べました。香ばしくて、ネバネバした食感が新鮮。
天ぷらのド定番。キス。
これも大人になってからおいしいと感じるようになった食材。銀杏。
蓮の天ぷら。肉厚なのですが焦げてるわけではなく香ばしいギリギリの感じ。サクッと繊維が歯先で離れていくあの感触がたまらん。
松茸〜。スダチを搾って。香りがステキ。これも繊維系なのでうまく食べないとアツいので猫舌の人は要注意。
京の旬野菜。鷹峯とうがらし。辛くはありません・・・
アオリイカ。天ぷらってこんなに甘さが引き立つとは思ってなかった。
食材の合間、合間に海老が出てきますが、ここでコースが終了。お願いするとサンプルを持ってきてくれますので天ぷらでは珍しいなと思いミョウガを追加注文。大人になってからなんか苦い系が旨いと感じるようになったせいですね。
締めの食事は天丼か天茶ですが、天ぷら食べに行く時に選ぶのは天茶。ご飯が多い店があるのですが少なめで締めにちょうどいい感じ。オリジナルブレンドの塩加減が最高です。
デザートはゆで小豆、みかんゼリー、くずきりから選びます。ゆで小豆を選んでみました。甘い小豆に濃い目の抹茶粉がちょうど良い。
18時に入店して気が付いたらあっという間に2時間経過していました。気さくな主人で楽しく会話してくれます。たぶん接客は奥さんとお母様だと思いますが、さりげないおもてなしで仰々しくなく気持ちよかった。
高いモノがおいしいとは限りませんが、本当に美味しいものを食べた時は、相応の対価が必要だし惜しくない。素材選びの目利きもありますが、今回は下準備がとても大事ということを実感。
最後には主人がお見送りに外まで出てきてくださいました。本当に美味しいもの食べると自然に笑顔になるし幸せな気分になります。大満足で店を後にしました。今度は秋が深まった頃に行ってみたいですね。