New Kindle(第8世代)の開封レビューとBluetoothオーディオ対応の検証結果

Kindle 2016 and Bluetooth wireless headphones

本日(7月20日)、低価格モデルの無印Kindle(以下『Kindle(2016)』と呼びます)が発売になりました。Amazonの管理上は第8世代ということになります。開封と外観や性能、さらに米国では初のBluetoothオーディオ対応モデルと言われていますので日本発売モデルでも対応しているのか検証してみました。

開封と外観

きっちりと発売日に到着します(今回はポスト投函)。今回はホワイトを購入しました。装丁もホワイトモデル用でした。

Kindle 2016 Package

同梱物は従来どおり。本体とUSBケーブル、スタートガイドのみでACアダプタは入っていません。

Kindle 2016 Package 2

Kindle(2014)の際に感じた安っぽさはかなり軽減。バックパネルが梨地加工され丸味を帯びたことと、ホワイトが映えるからかもしれません。

Kindle 2016 Front

Kindle 2016 Back

旧モデルKindle(2104)よりも縦9mm、横4mm小さく、そして厚さが11%薄く(9.1mm)なりました。ベゼルが狭まった結果、重さは30gも軽く(161g)なっています(全てスペック値)。バッテリーカバーを装着しないKindle Oasisを除けばKindleファミリーの中では最軽量になります。

Kindle 2014 and 2016

Kindle 2014 and 2016 2

Kindle 2014 and 2016 3

完全にタッチスクリーン化されているためハードスイッチは電源ボタンのみ。USBケーブルのポートと中央にはLEDインジケーターがあります。

Kindle 2016 Bottom 1

Kindle 2016 Bottom 2

全体的に角張っていたKindle(2014)ですが、Kindle(2016)では小さく、薄く、軽くなったことに加えて丸味を帯びたデザインになったため持ちやすくなっています。

ちなみに、バックパネルに印字されている各国の認証マークについて、Kindle(2016)ではリオ・オリンピックを意識してかブラジルが追加されています(その他にメキシコも追加)。

操作性・画面

RAMが従来比2倍の512MBになった効果を期待してページ移動時の書き換え処理速度を確認しましたが、イマイチ違いがハッキリとはわかりませんでした。

画面は6インチ、167ppi、フロントライトなしは変更ありません。さすがに300ppiの上位機種と比較してしまうと文字のギザギザとしたシャギーが目立ちます。文庫本なら気になりません(クリックするとFlickrに遷移するので拡大できます)。

Kindle 2016 Bunko

コミックはほとんど読まないのでサンプルが少ないですがキャプテン第1巻をサンプルにKindle Oasisとの比較で撮影してみました。文字が小さい分シャギーがより目立つ印象。フリガナはつぶれてしまっています。

Kindle 2016 and Oasis

フロントライトがなくても暗闇で本を読むことはほとんどありませんので問題ないと思います。

価格(執筆時点)

「キャンペーン情報あり」で税込8,980円ですが、プライム会員限定のクーポンコード(PRIMEKINDLE)を使用すると4,000円割引になります。

キャンペーン情報はロック画面とホーム画面に表示され、特にロック画面では解除するのに1アクションが余計な手間になるので気になる人は「キャンペーン広告なし」を選択した方が良いでしょう。

Kindleには識別しやすい名前を付ける

到着の1週間前にはクラウド上で端末管理する公式サイトのMy Kindleに登録されていました。何枚もKindleを所有しておりますと「○○さん□番目のKindle」ではコンテンツ購入時のダウンロード先指定時に迷ってしまいますので識別しやすい名称に変更しておくと良いと思います。

My Kindle

Bluetoothの対応について

結論から言うと対応していました。ただし言語を英語にした場合のみで、残念ながら日本語は非対応です。

Kindle 2016 - VoiceView Screen Reader

Kindle 2016 Bluetooth unavailable in Japanese language

この読み上げ機能はメニューや本文を英語で読み上げてくれるアクセシビリティ機能の一つ。視覚に障害を持たれている方などのための機能であり、いわゆるAudibleのようなコンテンツを読み上げたり音声でも同期できるような仕掛けとは異なります。

VoiceViewと言われるこの機能についてはPaperwhite、Voyage、Oasisでも対応していいるもののUSBサウンドカードで実現可能です。一方、このKindle(2016)モデルはBluetoothのみ対応していました。

Bluetoothオーディオのペアリング方法

Kindle User's Guideには画面ロック状態にして45秒待ち、電源ボタン7秒長押し、2本指で画面を1秒間タッチという面倒な方法が記載されています(←この前作業が必須かどうか検証できていません)。

(言語を英語にして)Settings>Device Options>Personalize Your KindleにあるVoiceView Screen Readerをタップし、ONにするとKindle(2016)がペアリングモードになります。ヘッドフォンなどをペアリングモードにすると以下のように接続します。

Kindle 2016 Bluetooth Pairing

接続する場合は2本指でスクリーンをタッチするか、または5秒間放置すると次のデバイスを探しに行きます。

接続した後は以下の画面から登録解除、再度ペアリングができます。

Kindle 2016 Bluetooth Pairing Mode

Bluetooth接続が失われると以下のメッセージが定期的に表示され読書の邪魔になるので、都度、VoiceView Screen ReaderをOFFにする必要があります。

Kindle 2016 Bluetooth Pairing Mode 2

言語を英語(USまたはUK)にしないと使用できないことに加えて、残念ながら日本語を含めて他の言語には対応していませんので日本国内においては英語学習などでリスニング教材としては活用できそうですが通常の読書としては実用的ではありません。

スクリーンショットの撮り方

これまで同様にスクリーンの対角線(たとえば左下と右上)を同時にタップします。一瞬画面が白黒反転します。USBドライブモードにするとPNGで保存されています。

隠しコマンド

Kindle(2016)にも存在します。ホーム画面の検索画面で「;411」または「;711」を入力して検索します。

411ページはデバイス情報が表示されます。

411 command - Kindle 2016

711ページはWIFIネットワーク情報が表示されます。

711-1 command - Kindle 2016

711-2 command - Kindle 2016

まとめ

性能としてはRAMによる性能アップ(効果は不明)、小型化による持ちやすさと表面仕上げによるチープさの解消が見られます。

買替えまではいかないまでも、スマホやタブレットのKindleアプリとの棲み分けで購入を躊躇されている方などは、この低価であればエントリモデルとして十分「買い」だと思います。

2016年7月21日追記:分解について(保証対象外となります)

恒例というわけではありませんが分解作業の様子です。前面の電源スイッチ周辺からヘラを入れてツメを外していきますが、数が多く、フロントパネルがその下のプラに糊付けされていて非常に大変です。

Kindle 2016 Teardown

フロントパネルを開けた後、さらなる試練が。基板を固定しているネジ(T5)が液晶を保護しているプラの下にあります。これを持ち上げて外すことはできましたが、基板自体がディスプレイと一体になっている上、バックパネルのツメか何かでガッチリと固定されていてビクともしませんでした。

Kindle 2016 Teardown

これ以上は破壊してしまう可能性があるためネジを締めてフロントパネルを閉じて元どおりに。今回はBluetoothチップも搭載されたので見てみたかったのですが残念(分解作業は保証対象外となりますので自己責任でお願いします)。