Amazon Echoで銀行口座の残高を教えてくれるスキルをメガバンク3行で比べてみました

Bank Bank Bank

Amazon Echoに搭載されているAIアシスタント『Alexa(アレクサ)』には、スマホにアプリをインストールする感覚でいろんな機能を追加できる「スキル」があります。

銀行系で口座残高や入出金明細を答えるスキルが提供されており、これをメバガンク3行で使い比べてみました。

銀行系スキル

ビジネス・ファイナンスのカテゴリにある銀行系スキルは、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、住信SBIネット銀行、じぶん銀行です(執筆時点)。

銀行系スキルで提供する情報

メガバンク3行は口座残高と入出金履歴の照会のみですが、住信SBIネット銀行やじぶん銀行は外国為替の為替レート等の照会も可能なようです。

会話例(三井住友銀行の例)

●残高照会

自分「アレクサ、三井住友銀行の残高を教えて」
Alexa「パスコードを教えてください」
自分「(設定済みの4桁パスコード)」
Alexa「現在の残高はxxx,xxx円です」

●入出金履歴照会

自分「アレクサ、三井住友銀行の入出金を教えて」
Alexa「パスコードを教えてください」
自分「(設定済みの4桁パスコード)」
Alexa「直近の明細は・・・
11月29日 入金 xxxx円 配当金 xxxx会社
11月13日 出金 xxxx円 xxxxx生命保険
現在の残金はxxx,xxx円です。
(直近5件まで)

インストールとアカウントのリンク方法

各銀行ともアカウントリンクの方法が異なりますが、みずほ銀行だけは他の2行よりクセが強めです。

●三井住友銀行

▼スキルをインストール後、口座登録をします。ダイレクトバンキングと同じログイン画面が出てきました。

▼ログイン後、利用規約に同意します。

▼パスコードを設定します。キャッシュカードの暗証番号とは別の4桁を設定した方が良いでしょう。

▼登録が完了しました。あとはAmazon Echoに話しかけるだけです。

●三菱東京UFJ銀行

▼三菱東京UFJ銀行はログイン前に利用規定への同意からスタートです。

▼ログイン画面。ダイレクトバンキングのログイン方法とは異なり、ご契約番号ではなく店番、口座番号、カナ氏名の入力が求められます。

▼ギョッとしますが、キャッシュカードの暗証番号の入力を促されます。抵抗がありつつもやむを得ないので入力します。

▼パスコードを設定します。数字4桁を設定します。

●みずほ銀行

みずほ銀行の設定方法はSMBCやBTMUと違ってクセが強いです。ログイン画面の下部に赤字でみずほダイレクトアプリでAlexaとの連携が必要というメッセージが出ています。

Mizuho Skill of Alexa

▼iOS版またはAndroid版のみずほダイレクトアプリから「Amazon Echo利用登録」をオンにしなければなりません。

Mizuho Skill of Alexa

▼気を取り直してログインすると同意事項が表示されます。

Mizuho Skill of Alexa

▼みずほ銀行の場合は「PINコード」と言います。数字4桁を入力、再入力すると設定完了です。

Mizuho Skill of Alexa

実際に使ってみる

三井住友銀行、みずほ銀行のスキル使用時の様子を動画にまとめてみました。

●三井住友銀行スキル(残高照会)

●三井住友銀行スキル(入出金明細照会)

●みずほ銀行(入出金明細照会)

比べてみた結果

●一番使いやすいのは三井住友銀行

三井住友銀行のスキルが一番シンプルで使いやすい。最初の発話で要件を伝えてしまえば、あとはパスコードを確認するだけ。他の2行が、アプリ起動を指示→パスコード認証→要件(残高 or 入出金明細)→終了指示、と要件と終了も発話しなければならず指示が2回多くなります。

ただ、三井住友銀行のダイレクトバンキングは日曜日21時から翌月曜日7時までは定例メンテナンスのため使用不可で、このスキルも同時間帯は使えません。

それにもかかわらず、Amazon Echoは当該時間帯にアクセスしようとするとパスコード認証まで進んだ後でシステムエラーをアナウンスし、かつ時間外というオチをつけるのはどうかと思う。

●理解に苦しむ三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行の挨拶やジングル

三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行のスキルはアプリ起動時と終了時に「ようこそ」とか「ご利用ありがとうございました」のような挨拶が入る。店頭などと異なり過剰な対応は不要。1秒、2秒の挨拶とはいえ、不要な情報を聞かされる羽目になる。

ダメ押しとして、何を考えているのか神経を疑うがCMで流れるジングルも鳴るのである。

耳から入る情報は視覚と比べると圧倒的に少ないため、聖徳太子(厩戸皇子)のように同時に複数の要件を聞き分けることはできないので、挨拶やジングルなどの余計な音声情報でユーザの聴覚を占有しないで欲しい。

●みずほ銀行のセキュリティは大丈夫か?

みずほ銀行スキルは、一度PINコードで認証すると一定時間内の再利用時は認証が不要。自分が使用した後、一定時間内であれば誰でも利用可能な状態に置かれることになる。大丈夫だろうか?

●致命的なみずほ銀行のリンク切れ(バグ?)

みずほ銀行のスキルはアカウントリンクを設定した翌日にはリンクが切れてしまい、再設定が必要になる。日本でサービスインしてから3週間程度、いまだに修正されないまま。バグではなく仕様なのか?クソである。

マネーフォワードが対応すればいいのだけど

このように各銀行、証券会社、カード会社等がクッソ使いにくい程度の低いスキルをバラバラと乱立させるよりは、(個人情報保護法の課題がありそうだが)マネーフォワードのようなアグリゲーションサービスを提供するベンダーにまとめてもらった方が質の高い音声体験が得られそうな気がする。

銀行スキルに何を期待するか

個人の財務情報は秘匿性が高いため使用する場面は限定的であり、かつ今後予想されるアグリゲーションサービスからの提供ではできないサービス、例えば住所変更方法、時間外ATM手数料、店舗検索など「よくある質問」などに回答する機能、AIによる運用相談等があっても面白いと思う。