7月1日をもってGoogleリーダーが予定どおり終了したものの、その影響は最小限だったように思う。しかし、他のフィードリーダーサービスを飲み込んで拡大していったGoogleがリーダーサービスをクローズに至ってしまったことを考えれば、今回移行先となるサービスもまた同様の道を辿らないとも限らない。
Googleリーダーが終了して何か変わったのか
恐らくツールとしてのGoogleリーダーが他に置き換わっただけで何も変わってない。利用サービスやアプリに変化はあったかもしれないが、Googleリーダー終了に伴いRSSフィードリーダー自体の利用を止めてしまうユーザはほとんどいないはずである。これは効率良く情報収集する手段として依然として有効な方法であることを意味していると思う。
あらためて「Googleがリーダーサービスから撤退」した理由を考える
3月に発表された際、撤退の理由に「利用者数の減少」を挙げている。2005年ベータ版の提供開始からおよそ8年も継続したサービスだが、Googleは終了に踏み切った。
憶測でしかないが、Googleリーダー自体の広告収入モデル構築が難しく、また他のGoogleサービスとの相乗効果も薄いうえに、ユーザが減少する一方で処理する情報量だけが増えてメンテナンスコストがかさむという構図があったのではないだろうか。
第2のGoogleリーダーは時間の問題か
先日、別のエントリでFeedlyの運営資金について触れたが、他のフィードリーダー提供者も同じ問題を抱えているように思う。有料化してもユーザ数が増えなければ、消耗戦を強いられるだけだ。
まして、利用料アップや広告の強制挿入などを強行すればユーザ離れを招きかねない。Googleリーダー利用者からの大量流入により大規模な設備投資が必要になることも考えられる。
サービサーとユーザが享受するメリットの不均衡
ユーザー側はアフィリエイトの導線として利用したり、アプリ開発者なら有料アプリによる売上げ、広告付き無料アプリによる広告収入を得るなどの経済的恩恵を享受できる。一方、フィードリーダーサービスを提供する側はたとえばFeedlyであればそれ自体では収益を生んでいない。
これまでのリーダーサービスは運営側のコスト負担を弾力的に補う有効な事業モデルが確立されていないように思う。儲け話はさらに遠い話となると投資家が寄りつくことはない。
サービサー・ユーザー・開発者の三者の関係
上記の不均衡を解消するには、ユーザーをいわゆる利用者とアプリ開発者に分けて、サービサー負担をそれぞれに軽減・分散させる必要があるのではないか。
たとえば、一つの手段としてはユーザは一定額の料金を負担したり、広告を受け入れたり、アプリ開発者であればAPI利用を課金制にするなども考えられる。あるいは、他のサービスと組み合わせたパッケージとして有料化する方法もあるかもしれない。
とはいえ、マーケット自体が成長拡大しない限り、互助会的に三者が負担を分け合ってもフィードリーダーサービスは縮小均衡に陥るだけであり、あらたな変化、発展は到底望めない。
リーダーサービス利用者の減少を反転させるために
先日のエントリでは他人任せのような期待だけを書いてしまったが、サービス利用者として何ができるのかを考えるとブログを書いている立場では「リーダーサービスの良さ」を伝えることができるはずだ。
そういう視点に立つと、RSSフィードリーダーに相応の知識のあることを前提とした記事を書いていることに気付く。自分が利用し始めた頃を思い返すと分かりやすい。決してエントリしやすいサービスではなかったはずだ。シンプルにサービス自体の良さを伝えることの大切さ。
できることは割と身近にあった。