11月2日に発売を控えたiPad mini。10月23日に発表された際にRetinaディスプレイモデルではなかったことが物議を醸しています。実機を触ったITジャーナリストの印象ではRetinaディスプレイかどうかは関係なさそうですが、気になったのはそもそもRetinaディスプレイとは何なのか?ということです。
今は亡きSteve Jobs氏がiPhone4を紹介する際に「人間の網膜が識別可能な300ppiを超えた」という表現を使用していたと記憶しています。
このppiとはpixel per inchの略で、1インチあたりのピクセルの数を表し、高いほど画像を細かく描写されますのでより綺麗に見えることになります。日本語だと画素密度とも訳され、最近ではいろんな場面で目にするようになりました。
ディスプレイの美しさを決めるのはこの数値だけではありませんが、ひとつの目安として比較してみました(下表)。ちなみに「試算値(独自計算)」とは左の計算式をJavaScriptで作って実行して結果です。公表数値と若干違うものもありますが概ね合致しています。
iPad miniはどの程度に位置しているかというと、iPhone3G(S)程度で今秋リリースされたiPod nano(第7世代)よりも低い。実物を見ないと何とも言えませんが、近い存在を比較対象とするとちょっと不安が残ります。
解像度 (ピクセル) |
画面 (インチ) |
公表値 (公式HP) |
試算値 (理論値) |
||
iPhone6 Plus | 1920x 1080 | 5.5 | 401 ppi | Retina HD | 401 ppi |
iPhone6 | 1334x 750 | 4.7 | 326 | Retina HD | 326 |
iPhone5/5s/5c | 1136×640 | 4 | 326 | Retina | 326 |
iPhone4/4s | 960×640 | 3.5 | 326 | Retina | 330 |
iPhone/3G/3GS | 480×320 | 3.5 | 163 | 165 | |
iPad3/4/Air | 2048×1536 | 9.7 | 264 | Retina | 264 |
iPad1/2 | 1024×768 | 9.7 | 132 | 132 | |
iPad mini Retina | 2048×1536 | 7.9 | 326 | Retina | 324 |
iPad mini | 1024×768 | 7.9 | 163 | 162 | |
iPod nano(第7世代) | 240×432 | 2.5 | 202 | 198 | |
MacBook Pro 13インチ(Retinaディスプレイ) | 2560×1660 | 13.3 | 227 | Retina | 229 |
MacBook Pro 13インチ | 1280×800 | 13.3 | — | 113 | |
MacBook Pro 15インチ(Retinaディスプレイ) | 2880×1800 | 15.4 | 220 | Retina | 221 |
MacBook Pro 15インチ | 1440×900 | 15.4 | — | 110 | |
Nexus7(2013) | 1920×1200 | 7 | 323 | 323 | |
Nexus7 | 1280×800 | 7 | 216 | 216 | |
Nexus10 | 2560×1600 | 10.055 | 300 | 300 | |
Kindle Fire HD7 | 1280×800 | 7 | — | 216 | |
Kindle Fire HDX7 | 1920×1200 | 7 | 323 | 323 | |
Kindle Fire HD8.9 | 1920×1200 | 8.9 | 254 | 254 | |
Kindle Fire HDX8.9 | 2560×1600 | 8.9 | 339 | 339 | |
XPERIA acro HD | 1280×720 | 4.3 | — | 342 | |
Galaxy S III | 1280×720 | 4.8 | — | 306 | |
HTC J butterfly HTL23 | 1920×1080 | 5.0 | – | 441 | |
HTC J butterfly HTL21 | 1920×1080 | 5.0 | 440 | 441 | |
HTC One M8 | 1920×1080 | 5.0 | – | 441 | |
HTC One M7 | 1920×1080 | 4.7 | 468 | 469 | |
Moto X | 1280×720 | 4.7 | 313 | 312 |
Retinaディスプレイはアップル社のブランド名で技術的定義がはっきりしません。当初iPhone4のように300ppiを超えるディスプレイに対しての呼称かと思いましたが、その後、220ppiのMacBook Pro 15インチモデルでもRetinaディスプレイとしてリリースされています。一方、iPod nano(第7世代)の202ppiはRetinaディスプレイではありません。
JavaScriptで画素密度(ppi)を計算する
以下のテキストボックスに画面サイズ、解像度を入力して「計算」をクリックするだけで画素密度が計算されます。
MyScriptsで計算する
iPhoneやiPadでもMyScriptsアプリを使って計算できます。MyScriptsをインストールします。無料版もありますが登録できるスクリプトの数が制限されていますのでご注意を。
MyScripts 2.5(¥350)
カテゴリ: 仕事効率化, ユーティリティ
App Storeで詳細を見る
MyScripts LE 2.5(無料)
カテゴリ: 仕事効率化, ユーティリティ
App Storeで詳細を見る
iPhone/iPadから次のリンクをタップするとMyScriptsが自動的に起動しますのでそのまま保存します。
スクリプトを実行して、画面サイズ(インチ)、ピクセル数を入力すると結果を以下のように返します。
参考
「iPad miniやKindle Fire HD等の画素密度(ppi)比較とその計算」への2件のフィードバック
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iPadとiPodが一緒くたですよ(小声)
修正しました。ありがとうございました。