Reeder3.0のアップデートには賛否両論ありますが、バージョン3.0から対応したFever°についてはどのレビュー記事にも詳しい解説がないようです。結構前からあるサービスですがほとんど日本語記事も見当たらずよくわかりません。ということで、インストールして実際に使ってみました。その第一印象は「Fever°はフィード購読のあり方を変えてしまうかも」ということです。
Fever°はWebアプリケーションです。SafariやChromeブラウザはもちろん、Safari on iOSでも動きます。
Fever°は登録フィードを解析して「アツい」記事にフォーカスする
自分が登録したフィードの記事に含まれるリンクを解析して「いま話題となっている記事」を温度の高低で表現してくれます。もちろんリーダーとしての基本的な機能も備えていてます。
便利そうなサービスですが、日本語の解説記事はほとんどありません。それもそのはずで、レンタルサーバーなどで自分のドメインを持っていることが前提なので利用するためのハードルが相当高いです(インストール方法は後述します)。当初、英語圏でポピュラーなサービスなのかと思いましたが、こうした事情からユーザ層はかなり限定的なようですから情報がほとんどないのもうなずけます。
今どの記事がアツイ!かを教えてくれる新感覚RSSリーダー『Feed a Fever』 | 100SHIKI
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WebアプリケーションなのでMobileSafariでも利用できますが、Evernote、Twitter、Pocket等の外部アプリとの連携ができないのでReederのインターフェースを使えるのはかなりありがたいです。おそらくiPhoneアプリでFever°に対応しているのはReederだけです。
Reeder 3.0.6
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Fever°がフィード購読のあり方を変えてしまうかもしれない理由
購読するフィードはどのように管理していますでしょうか?わたしの場合は「重複なく、漏れなく」効率的なフィードの最適化が理想です。裏を返せば「未読記事」を残したくないという気持ちが強いことの現れかもしれません。
Fever°はそんな「未読記事ストレス症候群」ユーザへのソリューションのひとつです。未読記事はあってもかまわないのです、「アツい」記事さえ読めれば。未読記事を恐れることなく、気になるフィードはどんどん登録すれば、Fever°が自動で優先順位を付けてくれます。
そしてReederが記事を消化しやすい環境を用意してくれます。アツい記事はHOTに分類され、気になる記事はそのまま閲覧して外部サービスと連携できますし、興味がなければ左右にスワイプすることで記事を一覧から消せます。
ただ、記事を解析するアルゴリズムに不安が。使ってみた印象では単に登録したフィード内のURLリンクをカウントしているだけじゃないかと思ったり。たとえば、あるブログサイトで同じURLを参照する複数記事がアップされると「アツい」と判定してしまうような気がします。否、だからこそ、効率化なんて考えず気になるフィードをどんどん登録すればいいのだ!と。
Googleリーダーとの使い分けについて
Googleリーダーはやはり便利。これからFever°との共存と最適化を図っていく予定ですが、おそらく、ニュース系フィードはGoogleリーダーに残し、ガジェット・ブログ系はFever°へ移行するとともに、フィードをバシバシと追加していこうかと思っています。
ちなみに、Googleリーダーのフィード管理とは全く異なるプラットフォームなので連携はしていません。
Fever°を利用するために
冒頭で説明のとおり利用はかなりハードルが高いです。Self-hosted型なので自分のドメインがあって、PHPとMySQLがインストールされたサーバーが必要になります。おそらく、レンタルサーバーを利用されている方であればできると思います。
- ライセンス料US$30が必要(購入時のみ。マイナーアップデートは保証)※支払いはPayPalのみ
- UNIX系サーバー(Windowsは非対応)
- PHP4.2.3以上、MySQL3.23以上
- Safari3以上、Firefox3以上、Safari on iOS(Androidは非対応)
Fever°をサーバーへインストール
なんとフリートライアル版がありません!ただ、購入の前にインストール可能かどうかの診断プログラムはありますので、最悪購入して動かないという事態は回避出来そうです。なお「さくらレンタルサーバー(スタンダードプラン)」は問題ありませんでした。
まず、アカウントを作成すると確認メールが届きます。このメールは使用しません。
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Downloadからfever.zipをダウンロードして解凍します。
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次に、さくらレンタルサーバーのコントロールパネルを開き、アプリケーションの設定>データベースの設定へと進みます。ここでFever°用のMySQLデータベースを新規作成します(文字コードはUTF-8)。このデータベース情報はFever°のActivation時に必要になります。
さて、先ほど解凍したfeverをディレクトリごとサーバーにコピー(場所は同梱のREADME.txtで確認してください)してパーミッションを755(または777)に変更します。
ブラウザで”boot.php”を開きます。Fever°がインストール可能かどうか適合状況を診断します。最後に先ほど作成したMySQLデータベースの情報を入力し、check privilegesをクリックします。
さくらレンタルサーバー(スタンダード)は問題なく適合しているようです。
今度はActivationするための購入手続きです。上記画面でリロードしてログイン画面を出します。先ほど作成したアカウントを入力してログインします(アカウントはドメインとActivationコードの管理のみに使用されているようです)。
“Domain Name”と”Compatibility Confirmation”には入力された状態なのでEULAやRefund Policyを確認してからpurchaseボタンをクリックします。支払いのPayPal画面へ進みますので処理します。おそらく支払いはPayPalしか出来ないと思います。
PayPalの支払い処理が完了すると以下のような画面になり、すぐにActivationコードがメールで届きます。Activatioinコードはhttp://feedafever.com/からログインしても確認できます。
Activationコードを入力します。これでインストールの準備が完了しました。
アカウント情報を入力し、「アツい」を表す温度表示を華氏(fahrenheit)か摂氏(celsius)を選択します。
これでインストールが完了しましたので、続いて初期設定を行います。簡単にフィードを登録できるBookmarkletの”feedlet”をブラウザに追加しておきます。フィード登録はOPML形式ファイルのインポートをサポートしているので、Googleリーダーに登録しているフィードは簡単に流用できます。
これで準備完了です!フィードの読み込みが完了するとただちに解析が行われて「アツい」記事がHOTに分類されて表示されます。なお基準は37℃のようです。
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Feedletを使用して簡単にフィード登録
ブラウザで開いているサイトからRSSを検出して簡単にFever°に登録できるBookmarkletです。
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検出したフィードを表示しますので追加登録する□にチェックを入れて”subscribe”をクリックします。optionからフォルダ分類やタイトル名を指定することが可能です。
cronに登録することで自動取得
たとえば、15分おきに自動取得する場合は以下のように書きます。
1 |
*/15 * * * * /usr/local/bin/curl -L -s --user-agent 'Fever Refresh Cron' 'http://hogehoge.com/path/to/fever/?refresh' |
エラーログが不要であれば、/dev/null 2>&1 などと行末に追記します。
一定時間おきに自動取得させておくことで、Reederで同期する際に”Refresh on Server”をオフにしておいてもほぼ最新情報を同期できます。PC/Macのブラウザ経由で使用している場合も自動で更新してくれるので便利です。
あらためてReeder3.0の価値を考える
先日の拙エントリ「生まれ変わったReeder3.0はこれからのアプリ」のとおりですが、実は、今回のバージョンアップの最も大きいチャレンジのひとつだったのではと想像します。他の部分を疎かにしたとは言いませんが、Fever°を使うことを前提とすると今回のアップデートはかなり完成度が高いです。
ただ、何度も繰り返しますが、これ使うのハードル高過ぎですから、この対応のありがたみを実感できるユーザはそんなにいないのではないかと思います。そんなサービスにあえて対応してきたのは今後何か展開があるということの示唆なんでしょうか。
期待できるサービスではあるのですが、アルゴリズムをもっと高度化してもらうといいなぁと。今後の展開がたのしみなFever°のご紹介でした。使用感の詳細はまた別の機会にでも。
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