iPhoneやAndroidのイヤフォンジャックに差し込むだけの超小型温度計センサー Thermodo のアイディアは素晴らしいもののその実用性が気になるところ。前回紹介したように Thermodo をそのままイヤフォンジャックに差し込んだだけではデバイスの熱源が近いため実際よりも高めに出てしまう結果でしたが、公式サイトFAQでも紹介されている延長ケーブルを使うことでどの程度改善されるのか検証しました。
Amazonでヘッドホン用延長ケーブルを購入。選ぶポイントは4極タイプのものが必要です。あとはケーブルの長さですがデバイスから少しでも離せればいいので10cmのものにしました。
屋外 – 冬の公園で
日中とはいえ寒風吹きすさぶ冬の公園です。まずは延長ケーブルを付けて測定。2,000円程度の温度湿度計は7.0℃、Thermodo は6.5℃とほぼ同じ値でした。
次に Thermodo をイヤフォンジャックに直接差し込んで計測。温度湿度計は6.0℃、Thermodo は8.5℃でした。
温度湿度計は1分ごとに測定しますので、延長ケーブル付きThermodoで測定してから、直接差し込んで切替えて測定値が落ち着くまでに1.0℃も下がってしまいましたが、直接差し込んだThermodoの測定値は逆に上昇しました。
と、延長ケーブル付きThermodoで測定した際、既に6.5℃まで下がっていましたから、測定値は正確でありつつリニアに反応していると言えるかもしれません。
屋内 – 自宅のリンビングで
今度は屋内のリビングで計測してみます。延長ケーブル付きThermodoは温度湿度計とほぼ同じ値でした。
Thermodoを直接挿した状態では、やはり、測定値が高目に出てしまうようです。
なお、屋内、屋外でも Thermodo センサーが下地に触れずに空間の気温を測定するようiPhone自体を若干浮かせています。
まとめ
今回の検証には設定画面のCompensate for device heatによる調整は行っていません。冬場は屋外の方が気温が低いためiPhoneが持つ熱が自然冷やされ、直差しでも温度計で測定した結果と比較して誤差が小さく出ているのだと思います。
検証なら Thermodo が2個あると同時に測定できるのですが残念ながら1個のみ。しかし、延長ケーブル付きでデバイスの熱源からちょっと離すだけで、屋内でも屋外でもかなりの精度で測定できることはわかりました。
そもそも今回の温度計の精度がどの程度なのかという問題ありますが、以前拙ブログで紹介したUSB温度・湿度計モジュール・キットの測定結果とも誤差の範囲(±0.1℃程度)でした。このモジュールキットはSensirion社(スイス)半導体1チップ温度・湿度センサを備え分解能0.01℃、精度は±0.4℃と説明がされておりますから、今回確認した限りにおいては、Thermodo センサーもかなりの精度なのではと思います。
また測定はスマートフォンならではで常時ディスプレイに値が表示され、リニアに反応するので温度が上昇傾向なのか下降傾向なのか、さらにアニメーションで変動の度合いが一目でわかりますので、安定までに要するおよその時間を予測できることになります。
わずか数百円でこれほどまでに改善するとは思っていませんでした。これなら十分実用には耐えるのではないでしょうか。残念ながらまだ一般販売は行っておらず予約受付中で、発送は2014年第1四半期の予定となっています。
Thermodo