iPhone4のホワイトは発売時から物議を醸してきましたがいよいよ発売しないことが決定的になったようです。これを機にiPhoneをホワイト化しました。このときにいろいろと感じたことを書き留めておきたいと思います。
ホワイトiPhone4は発売されないのか?
6月末の発売当時は生産が追いつかないので夏頃になると噂され、その後は品質が安定しない等の理由でクリスマス前後になるのではないか、CDMA版と同時に正式発表されるかもしれない等と徐々に時期がズレていました。先日、米国Verizon社がCDMA版iPhoneを発表後、アップルはUSサイトからiPhone4のホワイト版を完全に削除し、その後、日本のサイト(アップル – iPhone – iPhone 4 技術仕様)からも削除されました。
ホワイト化の理由
実のところブラックがいいと思っていたのでホワイト化にはあまり興味ありませんでした。購入時に両方そろっていてもブラックを選んだと思います。ところが… 昨年末のTwitterのオフ会に参加した際にホワイトのiPhone4を見せていただき「美しい」と感じました。それまでホワイトはiPhone3G(S)でしか見たことがありませんでしたから、その延長で絶対的にブラックがいいと思っていましたが、フロントパネルまでホワイト化されたiPhone4を見たとき、素直に「清楚」で「気品」ある美しさ、そう感じてしまったのです。あとはiPhoneユーザが増えてきたので人とは違ったものを持ちたいという見栄みたいなものでしょうか。
ホワイト化に見た職人の技と自分の限界
これが本業ではないのですがモノづくりの職人の方にお願いして作業していただきました。自分ではiPhone3GSの電源ボタンを修理するために分解した経験がある程度でしたし、iPhone4のホワイト化の記事(iPhone 4 ホワイト化カスタマイズの全貌)を読んでいたので、とても自分で作業できるような仕事ではありません。
分解から交換まで一部始終の作業工程を拝見して感じたのはまさにこれが「職人技」なのだと。小さいネジ、弱々しく繋がっているコネクタ。ネジのサイズや場所、外す順番。わたしは普段はオフィスでパソコンを前にパチパチとキーボードを叩くしかできません。作業していただいた方が、組み上がった後「ホームボタンの感触がおかしい」と仰るのです。もう一度バラシ始めるではありませんか。確かに反応していないのでおかしいのでしょうけれども、わたしには依然と変わらない感触でした。
ホワイト化キットの品質もばらつきがあるようで特にホームボタンの裏側のスイッチは問題が多いようです。再度ばらして黙々と急いでいるけど正確な作業。組み上がって無事ホームボタンも動作確認できました。「ホームボタンの感触が違いませんか?」と問われ、わたしは恥ずかしながらまたもやその違いを全く感じ取ることができませんでした。その時、思い知りました「ああ、これが職人なんだ、モノづくりとはこういうことか」と。指先の感性がまるで違うわけです。ばらして組み立てるだけならできそうですが、そういう感覚は今からでは絶対に得られない、手に職のないわたしには超えられない大きな壁を感じました。
大げさかも知れませんが、こうした電子デバイスは海外で製造されていて、そこで組み立てている人たちがいる。粗悪な模倣品を見て「懲りない連中だなぁ」などと思ってしまいがちですが、実は海外の技術移転とか国内産業の空洞化なんてこんな短い単語では言い表せない深刻な問題が進行しつつあるのではないのかと。
作業後、仕上がりに大満足です。手にとっていろんな角度から眺めて楽しんでいます。やっぱり美しい。。。
ちょっとデコレしてみた
iPhone4のマイクロSIMが発表されたときに、通常SIMをカットする作業が話題になりました。そのとき、通常SIMサイズに戻すためのアダプタがありましたがそれを購入した海外の会社が「iPhone Death Grip」をリリースしたとメールが届き、前回のアダプタの質が思いの外高いので今回も購入してみることにしました。しばらく放置してあったのを思い出し、ホワイト化したついでにちょっとデコレーションしてみました。
パーツは3つ。台紙からはがしてそれぞれ順番に上からこすりながらフレームに吸着させます。気泡が入ることがありますが、しばらく使っていれば馴染んで目立たなくなりました。はがすときは爪をたてれば簡単でした。ちなみに、このステッカーを貼ったままケースに入れると相当窮屈になります。それほどケースは密着するギリギリの寸法で作られているようです。
念のためですが分解作業で不具合が出る可能性があります。当然、保証対象外になりますので作業される方は自己責任のうえ十分注意してください。
ホワイト版に関する不具合について
アップル社がホワイト版を発売できない理由として製品として同社の基準を満たせていないといううわさがあります。そうしたパーツが流出し流通していると考えると、なにかしら不具合があっても不思議ではありません。ネット上で不具合が報告されている点は次のとおりです。個体差があると思いますので参考程度にしていただければと思います。
パーツや液晶画面の黄ばみ
一定の白さを保つのが難しいと噂されているとおり、数台のカスタム版ホワイトiPhoneを手にとって見た経験からも個々の流出パーツは次第かと思います。中にはHOMEボタンが黄ばんでいてフロントパネルの白さと比較して目立つものも。幸いわたしの流出パーツは黄ばみや白の不統一感はないように思いますが、如何せん純正がどのような「白さ」なのか分かりませんので比較しようがありません。店頭に並ぶ日がくれば比較してみたいと思います。
LEDフラッシュの写り込み
わたしのカスタム版ホワイトiPhoneでは確認できていません。
近接センサーが動作しない
残念ながら反応しませんでした。電話をするときに顔を近づけた時に終話ボタンなどを誤って操作しないよう画面が暗くなるのが正常です。頬が触れてキーパッドで「ピ・ポ・パ」みたいになったことがありますが、誤って終話するには余程画面下の方を頬に押し付けることになるので実際に発生することはないと思います。いきなりスピーカーホンになったら困りますが・・・
その他、気になったのはiPhone 3GSから採用されてiPhone4でさらに磨きのかかった「対指紋性撥油コーティング」がイマイチな点です。純正ブラック版と比較してヌルヌルのすべり具合は問題ありませんが指紋が残りやすいです。気になる場合は保護フィルムを貼るなどの対処が有効かもしれません。
しばらく使用して他の点も気がついたことを追記していく予定です。ちなみに「iPhone 4ホワイトが各国小売の在庫システムに登場、2月27日発売??」のようなうわさもあります。さてさて、どうなることでしょうか。
さらなる噂として「『iPhone 4 』ホワイトモデルが1月27日からアップルでネット販売開始か」のように、もう発売はないのではと思っていたところに全く正反対の急展開です。技術的にクリアしたことが紹介されているこちらの「iPhone 4のホワイトモデル製造安定のため、被膜厚指定の塗料を開発?」の記事ではSteve Jobs氏は既にホワイトiPhoneを使用しているという噂さえ。さらに面白い記事として「White iPhone 4 Issues Fixed By New Paint Process, Launch Imminent?」という海外の記事ではこの技術的な問題点を克服したのは「日本の小さな会社」とされています。
やはり気になる噂ですが、どうやら本当に発売なのでしょうね。アップル社の共同設立者の一人であるスティーブ・ウォズニアック氏が「まもなく発売する」と発言されているようです。ほぼ発売は間違いなく、あとの関心は「いつになるのか?」ということでしょうか。
最後に。「もう発売はない!」と思ってカスタムホワイト版にしたばかりなので複雑な気分ではありますが、時期的にここまでずれてしまうと次世代iPhoneの公表・発売時期まで時間もないことや、なにより香港版iPhone4に切り替えたばかりということもあり、もし日本で発売されることになれば店頭でうらやましく眺めるしかなさそうです。
Update Information—-
[UPDATE1 2011/1/19]ホワイト版の報告されている不具合といよいよ発売かも?という噂について追記
[UPDATE2 2011/1/27]カスタム・ホワイト版の不具合の追記とその後の噂
[UPDATE3 2011/1/31]ホワイトiPhoneの噂(スティーブ・ウォズニアック氏の発言)を追記
「[UPDATE3]iPhone4ホワイトと職人とわたし」への3件のフィードバック
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アップルがホワイト版の発売を延長した理由のひとつ(?)にカメラ撮影時の映り込みとかいう噂がありましたが、そこのところどうですか?
ふら〜んさん、ご質問ありがとうございます。不具合があるといわれる点についてはしばらく使用してから追記してみようと思っています。今後とも宜しくお願いします。
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僕も全ホワイト化します!!
代助さんのブログが最後の決断をさせてくれました。
美しいです。本当に美しい。