今年3月にGoogleから突如発表されたGoogle Readerの終了。いち早く移行先の受け皿としての役割を表明し『プロジェクト・ノルマンディ』を始動させたのがFeedlyだ。今日、重要なマイルストーンのひとつである「Feedly Cloud」サービスが一般ユーザも利用可能となり、サードパーティ製アプリが次々と対応アップデートされている。
早速Feedly Cloud対応アプリを実際に使ってみたが、これほど違和感がない、つまり「従来のまま」なことに驚いた。Feedly公式アプリが自分にあわず、選択肢から外していただけに後継の本命として見直さざるを得なくなった。
リーダーサービスは必要なのか
Googleの発表後「そもそもRSSリーダーが必要なのか」から考え直した。これまで使ったキュレーションサービスや、ソーシャルフィルタリングとしてのTwitter、FacebookのようなSNSで代替することも選択肢としてあった。しかしながら、今のところ非効率ではあるが最も効果的な手段としてRSSリーダーを使って自分で情報収集する方法がベストという結論に至っている。
リーダーサービスに求める条件
ガジェット好きには悩ましい問題。いつ、何を使って閲覧するかに左右されない環境が必要になるので、マルチプラットフォームとクラウド同期は必須条件。デスクトップ版はほとんど使用しないのでモバイル環境で快適に使えるかがポイントになる。そういう意味ではGoogle Readerは完ぺきなサービスだったわけだ。
Google Readerに代わるサービスを求めて
急ぐ必要はないと考えていた割には、あと数週間に迫ったこところでバタバタと探し始めた。多少フィーを支払っても良質なサービスを受けたいので有料版サービスも視野に入れた。
サーバーインストール型リーダー Fever°
Fever°というサーバーインストール型リーダー(https://daisukeblog.com/?p=1821)を稼働させているので、探す必要もないかなと考えていた。ただ、Fever°はかなり特殊なので対応アプリが非常に少ない。iOS版は人気のReederやFever特化型のSunstrokeで十分だが、Androidはどれも貧弱な作り。BlackBerry対応アプリはあるわけない。
Reeder 3.1
ニュース
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Sunstroke 1.4.0
ニュース, 辞書/辞典/その他
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Meltdown 0.9.4
ニュース&雑誌
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Feedly公式アプリ
次に、多くのブロガーが移行先として注目していたFeedlyを使ってみた。Googleアカウントで認証するだけで購読フィードを引き継ぐことができる。だが、公式アプリをちょっと使って「これはダメ」だと思ってしまった。条件には合致するもののUIがリッチ過ぎて、読み飛ばし系の自分のスタイルに合わなかった。
Feedly: Your Google Reader, Youtube, Google News, RSS News Reader 16.0.1
ニュース, エンターテインメント
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Feedly. Google Reader News RSS 16.0.5
ニュース&雑誌
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国産サービスのPresser
そうこうしているうちに、もう6月下旬。昨日、はてブのホットエントリになっていた国産のPresserが気になった。国産には珍しくマルチプラットフォームの可能性もある。しかし、最近の環境がAndroidやBlackBerryがメインであることを考えると見送らざるを得なかった。
Presser 次世代の情報ツール(RSS, Reader, リーダー) 1.0
ニュース, エンターテインメント
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NewsBlur
そして @novi_ さんのこのツイート。NewsBlurとは初耳。BlackBerry対応こそないがオープンソースらしく幅広いプラットフォームに対応。ただし、まともに使うなら有料会員になる必要がある。年間US$24(気前よくUS$36支払うオプションも)。
NewsBlur 登録してみたけどすごくいいぞこれ… 速いしUIいいし、GoogleからStar記事もちゃんとインポートしてくれる。 http://t.co/JSmUfXYSFt
— Yusuke Ito ❦ (@novi_) June 19, 2013
Reederなどの普通のリーダーアプリと同じ感覚で操作できる。同期速度は(個人差はあるが)Google Readerよりワンテンポ遅い印象。
NewsBlurにはSNS的要素も加わっている。blurblogはシェアした記事をタイムラインに流す機能。ユーザ毎に独自URLが割り当てられ登録ユーザをフォローしたりコメントしたり。タイトルや背景、カスタムCSSも用意されている。今後、ブログ用シェアボタンもサポートされるに違いない。
Google Readerのように統計情報を出力したり、フィルタリングにより記事を表示するIntelligence Trainerという機能もあるが、これらはWebでのみの利用。
公式アプリの他、サードパーティ製アプリもリリースされている。また、登録者数カウントを表示したり、フィード登録を簡単に行えるなどの各ブラウザのプラグインが用意されている。ただ、ユーザ数はフリーアカウントを含めて16,000名程度なのでまだまだこれからと言ったところ。
NewsBlur 2.1
ニュース, 仕事効率化
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NewsBlur 2.0.1
ニュース&雑誌
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そしてFeedly Cloudへ
NewsBlurにしようかと思っていた矢先にFeedly Cloudの一般開放。既にAndroidやBlackBerryのアプリは今朝リリーされているが、iOS版はAppleの審査待ち?なのか、対応を予定されているReederのアップデートもまだ来ていない。
使い方はシンプル。AndroidのgReaderやPressでは以下のようにアカウント追加メニューからFeedlyを選択して認証する(全アプリ共通)。あとはGoogle Readerと同じように使えるので、特に意識しなければFeedlyであることに気付かない。
個人的にはこれまでいいアプリがなかったのBlackBerryに対応したgNewsReaderが非常にありがたい。
gReader Pro (Google Reader) 3.3.1
ニュース&雑誌
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Press (RSS Reader) 1.3.2
ニュース&雑誌
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gNewsReader 1.9.0.1
News & Information
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この他にもIFTTTもサポートしているので記事にタグ付けや後で読むなどをトリガーとして各種サービスへ自動連携することが可能になっている。これでGoogle Readerから離脱する条件が満たされ、いつでも乗り換えることができるようになった。
従来のリーダーサービスを超える何か
これで無事に乗換はできそうだが「RSSリーダーの進化」という観点では、従来型サービスが延命されただけで劇的に変化を遂げる機会を失ったということかもしれない。
一方で、進化が必要なのか。情報発信や収集として様々なサービスがあるが、ブレイクしているとは言い切れず、試してはみるものの結局はGoogle Readerに戻って来る、そんなことを繰り返してきた自分には、集めて読むという単純作業のレガシーなサービスとして残ってもらわないと困るのかもしれない。
変わって欲しくないが新しい何かを求めたいという矛盾もありながら、Feedlyの上陸作戦は成功したように見えるがはたして今後どんな展開になるのか。非常に楽しみだ。