日本通信がiPhone4専用として提供を開始したtalking b-microSIMプラチナサービス(略してプラチナSIM)をSIMロックフリーの各種モバイル通信端末で使ってみました。確認したのはiPad WIFI+3G(US版)、Nexus One(AT&T版)、HTC Desire(欧州版)、Kindle2(国際版)です。通信速度(下り)の観点でまとめてみました。
iPad WIFI+3G(US版)
- ベンチ系アプリSpeedtestX HDではiPhone4と同程度の速度が出ました。
- SafariからBNRスピードテスト回線速度計測ページ(画像読込み版)を利用して複数回実施しましたが15kbps程度しか出ませんでした。
- TwitterクライアントやYouTuneアプリなどはiPhone4と同程度の速度で使えました。
- JailBreakが必要になりますがUser Agent Fakerを使用するとSafariでの速度もiPhone4並みになりました。
User AgentをiPhoneに変更します
平均569kbpsまで改善しました
Nexus One(AT&T版)/HTC Desire(欧州版)
- 標準ブラウザからBNRスピードテスト回線速度計測ページ(画像読込み版)を利用して複数回実施しましたが最高速度は15kbps程度でした。
- アプリによってはiPhone4と同等のスピードで利用できるものもありました(例:Dropbox、Kindle、Foursquare等)が、インターネットに接続が必要なアプリのほとんど(Map、YouTubeやTwiccaなど)はデータが落ちてこない状態に近いため常用は到底無理かと思います。おそらく15kbps相当しか出ていないものと思います。
- 標準ブラウザで”User Agent Switcher”というアプリを使用したところiPhone4と同程度の速度に改善されました。
- またWIFIルーター(Android2.2標準アプリ)を起動して、3G回線をオフにしたiPhoneをテザリング接続してみると、iPhone側からは普通の速度でアプリが利用可能でした。
Nexus OneのカスタムROMはUser Agentを選択できる
User Agentの変更前後の速度比較
Kindle2(国際版)
電波はつかみましたがSIMロックが施されているようです。
結論
- 「iPhone4専用」ですが、他のモバイル通信端末で使用してもパケットは流れて来ますので全く使えないということはないようです。
- アプリによってはiPhone4と同程度の速度ですが、まったくダメななアプリもあります。
- User Agentを変更すると改善する場合があるようです。
所感
プラチナSIMの月額6,260円(通話料金月1,050円分を含む。税込み。日本通信ホームページ2010/9/14時点)に特別な割安感はありません。アプリによっては速度が15kbpsしか出ないとなると、なおさらプラチナSIMをiPhone4以外のSIMロックフリー機をメインとして使用するために購入するのは除外されるべき選択肢だと思います。
また、日本通信が技術的にどのようにトラフィック制御を実現しているか不明ですが、User Agent情報についてiPhone以外であることを明示的に渡す場合には速度が出ていないような気がしますので、場合によってはUAを変更することで改善するかもしれません。ただし、ROM改造やJailBreakが必要となりますのでメーカー保証対象外となりますし、故障等の不具合の原因となる可能性がありますから注意が必要です。
<参考>
日本通信のホームページで申込時の注意事項には以下のとおり記載があります。
本商品は、iPhone4を当社所定の種類のアプリケーションにおいて快適にご利用いただくための商品です(ファイル交換(P2P)アプリケーション等、連続したデータ通信にはトラフィック制御を設ける場合があります)。なお、iPhone4以外の通信端末でのご利用にはトラフィック制御を設けており、満足のいくパフォーマンスでご利用いただくことはできません。
記事ありがとうございました。
大変参考になりました。