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[UPDATE1]日経電子版のある意味で衝撃

3月23日に日経電子版が開始されて1週間。まともに使ったのは2回程度だけどファーストインプレとしてまとめてみた。日経新聞の宅配は約20年継続していたが今年1月からやめたばかり。今回は本格的な有料サービスとしては初の電子版であるというのと、4月末までは無料キャンペーン中ということで利用してみることにした。

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レビューの前に
宅配をやめたきっかけはiPhone。2008年9月にiPhone3Gを購入してから情報収集においては習慣が一変した。iPhoneがきっかけでRSSリーダーを知ったり、Twitterを始めたり、Googleの各種サービスを真剣に使うようになった。そうすると新聞の情報が古いことに気付き、読まなくなる。そうなると約月4500円の購読料はドブに捨ててるようなもの。思い切って宅配をやめた。困ったのは取引先の人事異動を見逃したくらい。

日経電子版に期待していたこと

  • 公式RSS配信、日経公式Twitterアカウント
  • SNSサービスとの連携
  • キーワードアラート
  • 紙面購読
  • モバイル機器対応

1)RSS配信、Twitterアカウント
ロイターやウォール・ストリート・ジャーナル、ファイナンシャル・タイムズ等の海外勢はもちろん、国内他紙でもRSS配信している。また最近はTwitterを始めるユーザーが多いはずで、記事の見出しをTwitterのタイムラインに流すだけでもRSSと同じ効果が得られし、RTなどのクチコミ的に広がればそこからWebサイトへ誘導できるはずなのにそういう工夫がない。ユーザはわざわざWebサイトへアクセスしなければ記事を読むことができない。

2)SNSサービスとの連携
この記事を他人がどう感じているのかというのは気になるところ。各種SNSサービスとの連携機能による他のユーザとの情報シェアや意見交換をサポートするような仕掛けが用意されていない。日経側でもユーザの生の声に触れるよい機会のはずだし、外部サービスとの連携が非会員ユーザをWebサイトへ誘導するコンタクトポイントになるというベネフィットはあるように思うが。

3)キーワードアラート
キーワードを登録して、アップされた記事に該当があればメールで知らせてくれる基本サービス。一応機能としてはあるようだが、タイムリーには通知してくれない。一定時刻にまとめて流れてくる。これじゃ遅すぎる。Googleのニュースアラートなら国内ばかりでなく海外記事も随時メール通知してくれる。

4)紙面購読
Web上で朝刊と夕刊を読むことができる。これは便利かなと思うが、サイトが重すぎて開きたくなくなる。
[updated on April 2]紙面ビュアーはウィンドウ・サイズが固定なので27インチのディスプレーを使っていたとしても画面いっぱいに拡大することができないため、小さいウィンドウの中で拡大縮小を繰り返さなければならない。大画面を活かすことができないようだ。

5)モバイル機器への対応
サイトは全般的に重たい印象。iPhoneはPCと同じ扱いなので3G回線ではとても見ていられない。致命的なのはFlashを使っているサービスがあるためiPhoneのMobileSafariでは利用できないサービス(朝刊・夕刊購読等)がある。

その他気がついた点

  • 株式投資の自分のポートフォリオを作成できない
  • 有料メンバーでログインしたWSJやFTと比べて広告バナー、テキストのPRが多い。
  • 最終面の小説が読めない(濡れ場だと株式相場が上げる日とかいう都市伝説があるくらい)

購読料
宅配購読者はプラス1000円だが、そうでなければ月4,000円である。いまほとんどが無料で入手できる情報で困っていないのに、4,000円も出して得られるだけの有益な情報またはサービスがあるかどうか。現時点ではないと断言する。

最後に
開始から1週間だがまともにサイトにアクセスしていろいろいじったのは2回。ろくなレビューじゃないのかもしれないが、まともに使う気にもなれなかったのが正直な感想。電子版の発表時に日経社長は10年後を考えると今からはじめなければという危機感があったみたいなことを言っていた。その割に世の中を研究していないサービスのように感じてしまうので残念だ。今後の新聞のあり方に一石を投じたと言う点では評価できるのかもしれないし、はじまったばかりなので温かく見守るということか。ただ、このままなら間違いなく無料キャンペーン終了前には解約する。

[UPDATE3]Kindle2とBluetoothで学んだ電波法

Kindle2にSPP対応Bluetoothモジュールを使ってワイヤレスでシリアルコンソール接続する方法
Hacking the Amazon Kindle DX, Part 1: Bluetooth Shell)を試そうとSparkfun社のBluetooth Mate(WRL-09358)を購入した。パーツを箱から取り出したところで、「そういえばBluetooth機器って電波法の絡みがあったな」と思い出した。いろいろ調べた結果、このパーツは日本国内で使用すると電波法に抵触する可能性が高いことがわかった。悲しすぎる。。。使ってはいけないパーツに大金をつぎ込むような過ちを繰り返さないための備忘録。

[Updated on April 5, 2010] この後、技適ありのBluetoothモジュールを購入。続編の参考エントリ:

[Updated on April 11, 2010]タイトルを「Kindle2とBluetoothでシリアルコンソール接続の夢破れたり」から変更

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<注意喚起情報>
本エントリは個人的な見解であり監督官庁や弁護士に確認した内容ではありません。

まとめ

  • Bluetooth機器は電波法の「無線局」に該当し、総務大臣の免許を受ける必要がある(実際は評価機関が認証を与える)
  • 例外機器もあるが消費者がそれを証明することは困難なため技適マークのない機器の使用は法令抵触の可能性
  • 罰則は懲役1年以下または100万円の罰金
  • 販売者への規制はないので技適認証状況についての記載は道義上の問題
  • 購入時に注意して!

上の写真で見えるのは米国とヨーロッパの認証マーク。日本の電波法に基づく技術基準適合証明(技適)マークがない。

Kindleの裏ぶたに印字されている日本の技適マーク
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まずBluetooth機器が電波法の対象になるのかという点。電波法第2条の定義によれば第5項の「無線局」に該当する。その無線局の開設にあたっては電波法第4条に次のように定められている。

第四条 無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。ただし、次の各号に掲げる無線局については、この限りでない。
一  発射する電波が著しく微弱な無線局で総務省令で定めるもの
二  二十六・九メガヘルツから二十七・二メガヘルツまでの周波数の電波を使用し、かつ、空中線電力が〇・五ワット以下である無線局のうち総務省令で定めるものであつて、第三十八条の七第一項(第三十八条の三十一第四項において準用する場合を含む。)、第三十八条の二十六(第三十八条の三十一第六項において準用する場合を含む。)又は第三十八条の三十五の規定により表示が付されている無線設備(第三十八条の二十三第一項(第三十八条の二十九、第三十八条の三十一第四項及び第六項並びに第三十八条の三十八において準用する場合を含む。)の規定により表示が付されていないものとみなされたものを除く。以下「適合表示無線設備」という。)のみを使用するもの
三  空中線電力が〇・〇一ワット以下である無線局のうち総務省令で定めるものであつて、次条の規定により指定された呼出符号又は呼出名称を自動的に送信し、又は受信する機能その他総務省令で定める機能を有することにより他の無線局にその運用を阻害するような混信その他の妨害を与えないように運用することができるもので、かつ、適合表示無線設備のみを使用するもの
四  第二十七条の十八第一項の登録を受けて開設する無線局(以下「登録局」という。)

今回購入したBluetooth Mateがいずれかに該当すれば技適マークは不要。使用周波数は2.4〜2.524GHzであり、技適マークはないので2号、3号には非該当。4号もよく分からないが日本国内での登録は受けてないはず。

第1号に該当するかどうかは「免許及び登録を要しない無線局」として総務省が判断基準を示している。
 1発射する電波が著しく微弱な無線局
 2市民ラジオの無線局
 3小電力の特定の用途に使用する無線局

2ではない。1か3であるが、一定距離における電界強度や空中線電力など、およそ個人ユーザには測定不可能である。

従って、今回購入したBluetooth Mateを使用した場合、基準値を超えていれば法令に抵触するし、基準値未満であれば問題ないことになる。自分の場合は明確にシロではないのであれば犯罪者になるリスクを負ってまで使用する気にはなれない。

今回のケースに限らず、一般消費者は「微弱無線局だから」なのか「認証を受けていない」のかを技術的に識別することは不可能なので、事実上、技適マークがない機器の使用はできない状態になる。というのは、自己責任という割りにその代償(罰則)は相当厳しいからだ。

第百十条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一  第四条の規定による免許又は第二十七条の十八第一項の規定による登録がないのに、無線局を開設した者
〜後略〜

最近はポータブルデバイスなどをワイヤレスでスマートに使いたいというニーズの高まりを受けてか、通販サイトやオークションサイトでは「国内未発売モデル」のような商品をよく見かけるし、簡単に購入出来てしまう。電波法は当該機器の売買や所持、持ち込みを規制するものではないので法令違反にはならないが、それを使用した途端に懲役・罰金刑の可能性というのは規制のあり方として極めてバランスを欠いているし、購入してしまった消費者を救済するという消費保護の観点が欠落している。かといって自己責任と言えるほど啓蒙活動・周知徹底策が実施されているようにも感じない。

なんとも釈然としないが、今回購入したBluetooth Mateはお蔵入り。購入時に注意するくらいしかないと思われ、特に値段が安い海外通販サイトで購入する場合には注意が必要かも。これって常識なのかな。なんとかしてもらいたいもんです。

相互認証協定
総務省のホームページを見ていたら「電気通信機器の相互承認(MRA)について」というのを見つけた。自国だけでなく協定相手国の技術的な審査・承認を一括で実施できる制度のようだが、今のところ米側にはこの評価機関がないので米企業が製造したBluetooth機器については実質的な効力はない様子。

<参考にしたサイト>
BluetoothーWikipedia
技術基準適合証明ーWikipedia
電波法ー法令データ提供システム
免許及び登録を要しない無線局ー総務省電波利用ホームページ 続きを読む [UPDATE3]Kindle2とBluetoothで学んだ電波法

「米メットライフがアリコを買収」に思うこと

米政府から多額の公的資金を受け入れた米AIGが米MetLifeにアリコ(American Life Insurance Company)を155億ドルで売却すると発表した。数年前ニューヨークに出張した際、AIGとMetLifeの本社ビルを見てきたことを思い出した。当時はサブプライムローンの問題も表面化する以前であり、今日のような事態は想像できなかった。

アリコは世界の約50カ国で展開しているが、収入・利益のほとんどはアリコジャパンが稼ぎ出している。最近ではクレジットカードの個人情報流出問題が依然として未解決のままで先日金融庁から行政処分を受けたのは記憶に新しい。

一方でメットライフは日本では知名度はかなり低いが、米国では生命保険分野ではナンバーワンの実績を誇る。日本市場には数年前にシティバンクから生保事業を買取って三井住友海上メットライフ生命として銀行窓販専門で営業している。競争が厳しい分野だけに収益率が低く、未だに単年度黒字を達成していない。アリコを買収したことでより収益性の高い事業への進出を進めていくことと思われる。

国内生保から見れば、外資系がドタバタとやってなー、ぐらいの感じだが、実は世界的に業界再編が起こっていて、そのプレーヤーには国内生保は姿形もない。外資は成長市場となるアジアを虎視眈々と狙っているのだが。。。護送船団方式で保護された業界の特性だろうか、この業界も国際的な競争からドンドン脱落していくような気がしてならない。


米メットライフ本社(出張時に撮影)
MetLife

米AIG本社(出張時に撮影)
AIG

参考記事
The Wall Street Journal:AIG, MetLife Reach Deal for Alico
Reuters:MetLife buying AIG’s Alico unit for $15.5 billion
ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版:AIG、アリコのメットライフへの売却発表
ロイター・ジャパン:米AIG、アリコをメットライフに155億ドルで売却と発表
日経新聞:AIG、アリコをメットライフへ売却 譲渡額155億ドル